Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
相変化メモリ(PCRAM)は、その高速な動作速度から、次世代型不揮発性メモリとして注目を集めている。しかし、書き換え時に生じる相変化に伴って原子の空間的な再配列を要するため書換電力が高いという課題がある。申請者は極最近、SmTe薄膜で価数の異なるSmが混在し、その比率に応じて電気抵抗が不揮発に変化することを発見した。この比率はジュール加熱によって変調でき、大きな抵抗差が生じるにも関わらず、原子配置は殆ど変化しない。故に、この抵抗変化現象を利用すれば書換電力が極めて小さい不揮発性メモリの実現が期待できる。本研究では、当該現象の学理の構築しつつ、従来PCRAMでは原理的に実現困難な省電力化に挑む。