Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
近年、生体鉱物を模倣し、木材と鉱物資源から丈夫な材料を開発する研究が注目されている。木材は優れた配向性をもつが、無機結晶とナノ複合化するには、木材から部分的にリグニンを除去し、木材深部に無機物の結晶化足場を形成する必要がある。本研究では、木材をクエン酸に基づく深共晶溶媒で処理し、木材深部のリグニン除去による空隙形成と、無機結晶と結合しやすいカルボキシ基の導入を同時に行う。そして、この木材を各種無機イオン水溶液に浸漬し、木材深部で種々の無機物を結晶成長させる。さらに、この複合体をカルボン酸無水物でアシル化することで、生体鉱物のように優れた機械的性質・耐水性をもつバイオマス構造材料の開発を目指す。