Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
重度の熱中症時,救急搬送前の現場で脳温の上昇を抑制することが予後を決める.本研究では,応急処置デバイスとしての「自動体外式脳冷却器」の開発を目標に,基礎的知見としてヒトの脳冷却システムの解明を行う.脳温は脳代謝,脳血流,脳血流温により決まる.高体温は脳代謝の増加と脳血流の低下を惹起し,脳温調節のリスクとなる.しかし,高体温時に全身温よりも脳温が低下する現象がある.そこで,脳温低下のメカニズムとして脳血流温に着目し,①外頸動脈血流の増加が同部の血液温を低下させ,脳内血管との交通路を介して脳を冷却する,②換気の亢進が脳血管に近接する咽頭部の粘膜血流温を低下させて脳を冷却するという仮説を検証する.