Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
電子1個と陽電子1個が束縛したポジトロニウム(Ps)のエネルギー可変ビームを生成する方法として、低速陽電子と気体分子を衝突させて電荷交換によって生成する方法と、ポジトロニウム負イオンを生成・加速した後に光脱離させる方法の2つが開発されてきた。しかし、前者はPsビームの生成に気体分子を用いるため超高真空下で使用できず、後者はPsのエネルギーが1 keV以上でないと十分な強度が得られないため、各々ビームの可能性が制限される。そこで、気体分子をグラフェンに代替し、超高真空対応かつ低エネルギー範囲(数eV - 数100 eV)でも十分な強度をもつ、新たなエネルギー可変Psビームの生成を目指す。