Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
オスの子育ての進化要因を明らかにすることは、多様な個体が子育てに関わるヒト社会の子育て様式の進化的基盤を解明することに繋がり、ヒトの子育てを哺乳類内の比較という観点から相対化できる点で社会的貢献度の高い課題と言える。本研究は、地獄谷野猿公苑の野外ニホンザル集団を対象に、「加齢に伴いオスの精子の量・運動性は低下する」という仮説を精子の高解像度ビデオの流体力学的解析により検証する。さらに、個体識別法によってニホンザルの顔と名前を識別し、直接行動観察による知見を加えることで、「繁殖能力の低下がオスの子育て行動の生起頻度に正の影響を与える」という仮説(祖父仮説)を検証する。