| Project/Area Number |
24K22324
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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| Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中田 聡 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (50217741)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Ginder Elliott 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (30648217)
西森 拓 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 特任教授 (50237749)
松尾 宗征 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (90869025)
久世 雅和 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 特任助教 (80966797)
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| Project Period (FY) |
2024-06-28 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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| Keywords | 非線形科学 / 非平衡 / sniffing / 匂い分析 / 自己組織化 / 化学センサ / マスキング効果 / 混合臭の分析 |
| Outline of Research at the Start |
動物はsniffingという匂いを嗅ぐ行為を通じて匂いを識別している。本研究では、嗅覚のsniffingをまねた匂い識別システムを開発することを目的とする。具体的には、匂いをリン脂質分子膜に周期的に吹きかけ、表面張力の時間変化をセンサ応答として解析する。リン脂質分子膜に対する匂い分子の吸着・脱離のダイナミクス、分子間相互作用、及び混合効果が、匂い分子に依存して特徴的なセンサ応答を得る。また数値計算により、特徴的応答の発現機構を解明するとともに、混合臭識別の最適条件を抽出する。本研究では、匂いのマスキングなど、混合系の評価を中心に実験し、最適なsniffing条件を自動チューニングする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
動物はsniffingという匂いを嗅ぐ行為を通じて多数の匂いを識別している。本研究では、嗅覚sniffingをまねた匂い識別システムを開発することを目的とする。具体的には、水面に展開したリン脂質分子膜に対して、ファンを使って匂い分子を周期的に吹きかけ、表面張力の時間変化をセンサ応答として解析する。ここで表面張力はロードセルを用いて測定した。リン脂質分子膜に対する匂い分子の吸着・脱離のダイナミクス、分子間相互作用、及び混合又はマスキング効果に基づいて、匂い分子に対して特徴的なセンサの時間応答を得る。まずアルキル鎖長の異なる直鎖アルコールに対する応答実験を行った。その結果、アルキル鎖長の短いアルコールでは、ファンの流速が高くなると表面張力が増加し、流速が低下すると表面張力が低下する同相同期応答が見られた。それに対してアルキル鎖長の長いアルコールでは、ファンの流速が高くなると表面張力が低下し、流速が低下すると表面張力が上昇する逆相同期応答が見られた。このような特異的応答はアルコール濃度に依存した定常状態における表面張力と関係することが判明した。また匂い分子のリン脂質分子膜への吸着・脱離を考慮した数値計算を行った。前述の定常状態の表面張力と水への溶解度の実験パラメータを使用した結果、実験結果を定性的に再現する結果が得られたことから、これらの特徴的パラメータが特異的応答発現のカギを握ることが判明した。またこれらの数値計算に基づいて、匂い分子の化学構造に依存した特徴的応答の発現機構を解明するとともに、混合臭を識別するための最適条件を見い出すことが可能になる。次に、匂いのマスキングなど、混合系の評価を中心に実験し、最適なsniffing条件を自動チューニングする研究も行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、水面に展開したリン脂質分子膜に対して、電動ファンを使って匂い分子を周期的に吹きかけ、表面張力の時間変化をセンサ応答として解析した。その結果、アルキル鎖長の短いアルコールでは、ファンの流速が高くなると表面張力が増加し、流速が低下すると表面張力が低下する同相同期応答が見られた。それに対してアルキル鎖長の長いアルコールでは、ファンの流速が高くなると表面張力が低下し、流速が低下すると表面張力が上昇する逆相同期応答が見られた。つまり動的な表面張力応答を指標としてアルキル鎖長の異なるアルコールを識別することに成功した。このような特異的応答はアルコール濃度に依存した定常状態における表面張力と関係することを見い出した。また匂い分子のリン脂質分子膜への吸着・脱離を考慮した数値計算を行った。前述の定常状態の表面張力と水への溶解度の実験パラメータを使用した結果、実験結果を定性的に再現する結果が得られた。これらの結果から、分子情報と動的な非線形応答がアルコール識別を増幅させることを見い出した。そして分子間相互作用を評価するために赤外吸収スペクトル測定を行った。加えて匂い分子の膜への吸着・脱離のダイナミクスの定常状態の表面張力応答に基づいた数値計算を行ったところ、実験結果の定性的な再現に成功したことから、動的応答の解明とともに、匂い識別の再劇場県のチューニングや新たな混合臭の組み合わせへと発展させる可能性が高まった。次に、匂いのマスキングなど、混合系の評価を中心に実験し、最適なsniffing条件を自動チューニングする研究も行ったところ、足し合わせの成り立たない特徴的な応答が得られることが判明した。令和6年度に和文の解説を掲載し、令和7年度5月に論文を投稿中である。また本研究の基礎となる非線形の界面現象に関する論文を報告した。以上のように、研究計画に従って順調に研究が進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
まず、現在進めているアルキル鎖長の異なるアルコールについて論文にまとめ直ちに投稿する。次に混合臭の効果について、匂いの足し合わせが成り立つもの、全く異なる匂いになる組み合わせ等、化学構造に基づいた匂い分子の組み合わせと混合臭の効果や匂いのマスキングについて、本sniffing法を用いて明らかにする。得られた結果に対して、数値計算による再現実験と混合効果の機構を理論的に解明する。そして多くの組み合わせを行うことにより、混合による匂いの変化を分子レベルから解明することで、数値パラメータを確定するとともに、新たな組み合わせを提案する。そして実際の匂いの効果と照らし合わせ、受容体以外に膜の動的応答の重要性を評価する。その他、吸引だけでなく排出機能を加えることで、より生物に近いsniffingシステムを改良する。加えてキラルなリン脂質分子膜を用いて、工学科性にないお異分子の識別にも挑戦する。これらの研究により、これまで未解明であった混合臭の効果をリン脂質分子膜の動的応答から評価し、理論的に解明する。
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