Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
細胞機能が核内DNAの物理的な分布の違いに影響されることが認識され始めている.例えば血管組織内の平滑筋細胞ではDNAが核膜付近に局在しているのに対し,数週間培養し増殖が盛んになる(脱分化)とDNAが核内に満遍なく拡がってくる.脱分化細胞ではDNAの2重ラセンが緩みやすく,よってmRNAの合成が生じやすく,結果として蛋白合成や増殖が活発になると推定される.ところで我々はDNA分布が核の変形で容易に変化することを見出した.そこで本研究では,様々な細胞周期の細胞核を定量的に変形させた後のDNA分布の変化を詳細に調べる装置を開発し,核変形によるDNA分散に及ぼす細胞周期の影響を調べる.