Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
地球規模課題が噴出する現代において、グローバルな規範形成の重要性がますます高まっているが、その営みは、影響を受ける多くの当事者の知識が周縁化される知識パラダイムの下で行われてきた点で問題がある。本研究は、グローバルな規範形成の場における認識的不正義の諸相を明らかにすることで、「知のグローバル正義論」構築のための礎を築く。具体的には、グローバル正義論(理論レベルの規範形成)および気候変動をめぐる国際交渉(現実政治における規範形成)に着目し、両者において生じている認識的不正義の重層性を、認識的不正義論や人種の哲学等の知見を踏まえて明らかにする。