Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
フッサールのノエマ概念は、分析哲学の伝統(とりわけフレーゲ哲学)との関連で様々な対立する解釈が提示され、「ノエマ論争」といわれる解釈論争をも巻き起こした概念である。だが、既存の解釈は(少数の例外を除き)いずれもノエマ概念を意味論的概念として解釈してきた。しかし現代的観点から眺めれば、フッサールのノエマ概念は意味論的概念としてではなくメタ意味論的概念として解釈されるのが自然であり、またその独自の意義も明確になると期待される。本研究は方法として、現代のメタ意味論の知見を積極的に援用することで、フッサールのノエマ概念の現代的意義を明確化する。