Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
西洋美術の歴史において、最初期の風景画は16世紀ドイツのアルブレヒト・アルトドルファーやヴォルフ・フーバーらドナウ派と呼ばれる一群の画家によって始まった。しかしドナウ派の実態や成立背景については、いまなお不明な点が多い。ジャンルとしての風景画は17世紀オランダで成立したが、ドナウ派による風景画はそれより百年も早く、異なる社会的背景により生まれたと考えられる。本研究では、ドナウ派の実態と風景画の成立事情について、主としてドイツにおける人文主義の隆盛との関係から明らかにすることを目指す。