Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
東アジアにおいては、仏像と仏とがいかなる関係を結ぶのかが常に問題視されてきた。仏の本体である「法身」は本来不可視の存在とされ、現実の世界には「生身」が仮象として現れると理解された。中国六朝期には仏像を通じた働きかけに「法身」が応じ「作用する」という信念が仏像を礼拝する場の基盤をなした。本研究は、日本において仏教彫刻が現実世界に作用することが如何にして可能だったのか、という「問い」に対して、そのメカニズムを理解することを目的とする。およそ隋~初唐期において議論された仏身観が、仏像の宗教尊像としての作用・意義の変容を惹起し、奈良時代における仏像観に影響したという見通しを立て、これを検証し跡付ける。