Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
小袖模様を絵図によって示した「雛形」と称される資料群(小袖雛形本や肉筆雛形本を含む。以下「雛形類」。)は、実際の呉服注文においてサンプルブックとして実用されたことや、年記および所有者等の墨書を伴うことなどから、江戸時代から明治時代中期に至る女性の小袖・着物の様式や染織技法の時代変遷を解明する上で重要な資料であると言える。本研究は、広い視野をもって雛形類を調査・分析し、雛形類が包含する各資料群の相互的な位置付けを中心にその全体像を明らかにするものである。これにより、今後の近世服飾研究、ひいては各雛形資料に関わる研究、特に雛形類を基礎資料として用いた諸周辺分野の研究の土台をなすことを目指す。