Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
インドの大乗仏教において初期に成立したとされる『八千頌般若経』には、最古の綱要書として『般若波羅蜜多円集要義』がある。しかし、詩節で書かれているため読解が難しい。この『円集要義』の注釈書に、トリラトナダーサ著『般若波羅蜜多円集要義釈論』がある。『円集要義釈』は、仏教教学の重要項目だけでなく、仏教論理学・認識論・如来蔵思想等の術語を含えて仏教を総合的な視点で解説する極めて重要な文献である。本研究は、『円集要義釈』の研究を通じて、瑜伽行唯識派の経典解釈、空・散乱・三性説などの要語、仏教論理学・認識論・如来蔵思想と、瑜伽行派の思想史的発展を解明する。