Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、大正期において国家機構が社会的領域を糾合しようとした局面を包括的に検討することを通じて、近代日本における国家・社会関係の再編のありようを明らかにしようとする試みである。具体的には、(a)内務省社会局の成立とその権限強化の過程について、(b)治安警察法第5条(女性の政治参加を禁止する条項)の改正について、(c)陸軍における総力戦研究について、(d)外務省情報部の発足について、の4項目を扱う。申請者は、この問題領域と密接に関わる大正デモクラシーという既存の分析概念を再考することを補助線として、上記の事例分析をユニークに体系づけ、明治憲法体制の自己変革システムを描き出すことを目指す。