Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
グローバル資本主義の影響下で市場原理がブラジル地域社会に浸透するなか、市場は作物を計量可能な商品とみなして取引し、同国の農業人口の大多数を占める農民には社会関係の破壊と市場の論理への適応を求めた。対して農民は、世帯で賄う農園を破綻させないため、市場の論理を受け入れて商品作物を生産し農園ビジネスを展開すると同時に、日常的に作物・動植物・土壌などの資源と連帯することで固有の知識や自然観を育み、そうした人びとの社会関係に根差した組合活動を通じて農民の連帯を強化し、市場経済への適応を試みた。本研究では、かかる「資源との連帯」と「農民の連帯」に着目し、農民の市場経済への適応可能性を検討する。