Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
近年、性行為をめぐって相互の意思を事前に確認しあう「性的同意」の重要性が、政府や教育機関などによって周知されている。しかし、日本では夫婦の性行為は社会的・法的に自明視されやすく、学術的にも夫婦の日常的な同意形成プロセス、とくに同意の形成と性愛関係をめぐるジェンダー秩序の関連の詳細については研究蓄積が乏しい。本研究では、おもに夫婦や既婚の男女へのインタビュー調査を通じて、セックスレスなど夫婦関係において性行為をめぐるすれ違いが問題化し、解消されようとする過程に着目し、夫婦の性愛関係をめぐるジェンダー秩序の再生産/変容のなかで、どのようにして夫婦の同意が形成されうるのかを明らかにするものである。