Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究の目的は、1950年代および2010年代の道徳教育論争のありようを比較することをとおして、道徳の多様化と、その反動として単一の道徳体系による社会統合が求められる現象(「道徳回帰」現象)が戦後日本においてどのように変容してきたのかを明らかにすることにある。具体的には、①各論争がそのなかに埋め込まれていた政治的対立状況ないし社会的情勢、②各時代の政治的・社会的状況および道徳教育に対する人々の認識、③「道徳の時間」および「特別の教科 道徳」を推進ないし反対する文脈で動員された人文・社会諸科学の知見、以上3つの点に関係づけながら各時代の論争を分析し、両者を比較する。