Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
1980年代以降,結婚の減少と離婚の増加により男女のライフコースは脱標準化している.結婚・離婚が個人にもたらす経済的帰結を検証した先行研究は,ライフコースの脱標準化が経済的格差の拡大に寄与することを示唆しているものの,1)短期的視点に基づく分析であること,2)経済状況の測定が一元的尺度であること,3)ミクロな結婚・離婚行動とマクロな経済的不平等の関連が直接検証されていないことに限界がある.そこで本研究は,男女のライフコースにおける結婚・離婚行動の経済的帰結を長期的かつ多元的に明らかにし,それらがマクロな経済的不平等の形成にいかなる役割を果たしているかを実証的に解明することを目的とする.