Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
怒りで冷静さを失った結果、意見が平行線のまま対立するという現象はめずらしくない。神経科学上は、怒りと深く関連する脳部位(e.g., 扁桃体)は判明しているものの、怒りが認知の正確性を阻害する機構は十分に解明されていない。そこで本研究では、ヒト健常者を対象として、怒りがさまざまな認知能力に与える影響に関わる脳内の神経機構を明らかにすることを目指す。具体的には、感情に関わる情報処理に関与する扁桃体が実行機能に関係する前頭-頭頂ネットワーク(FPN)に与える影響を、行動実験とともに機能的MRI(fMRI)、経頭蓋磁気刺激法(TMS)、経頭蓋超音波刺激法(TUS)を用いて調べる。