Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
空間反転対称性の破れた原子サイトでは異なるパリティの軌道が混成し、原子スケールで奇パリティ対称性を有する新たな電子自由度が発現し得る。この局所パリティ混成効果はこれまで重要視されてこなかったが、U化合物特有の物性を担う5f電子の挙動を解明する上で重要な要素となると期待されている。本研究では局所空間反転対称性の破れたU化合物において電気双極子(E1)遷移と電気四極子(E2)遷移が複合して生じるE1-E2共鳴X線散乱実験を行い、未だ確立されていない局所パリティ混成状態を直接観測し、その理解を深めることを目指す。