Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究では、ホログラフィーと呼ばれる場の量子論とそれより低次元の場の量子論の対応関係を用いて、ブラックホール形成などの重力の非平衡過程を解析する。特に、ホログラフィー双対をもつ低次元場の理論における新奇な非平衡現象が重力理論においてどのように発現しうるかを調べる。近年、物性分野では孤立系の熱化を固有状態熱化仮説(ETH)という枠組みを用いて理解しようとする研究が盛んに行われている。ETHは孤立量子系が熱化するための十分条件であり、標語的には「すべてのエネルギー固有状態が熱的である」と表現できる。本研究ではETHなどの洗練された非平衡量子ダイナミクスの概念を量子重力に応用する。