Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
島弧初生マグマは、沈み込む海洋プレートから放出された流体によってマントルが溶けて発生すると考えられてきたが、近年この通説に一石を投じる「メランジュダイアピル説」が提唱された。これは、海洋プレートとマントルの機械的混合で形成されたメランジュが、マントルウェッジを上昇し溶融することで初生マグマが発生するというものである。しかし、天然のマグマ物質から、メランジュダイアピルの溶融・上昇を実証した例はない。本研究では、那須火山群を対象に、層序や年代が明らかにされた複数の噴出物を岩石学的・地球化学的に分析し、初生マグマの生成深度・温度・溶融度などを推定することで、メランジュダイアピル説の妥当性を検証する。