Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
慢性腎臓病は高齢者の3人に1人が発症する国民病であり、腎臓以外の臓器の機能低下をもたらす。慢性腎臓病が認知症のリスクであることが大規模な疫学研究によって示されているが、そのメカニズムは不明である。申請者は最近、慢性腎臓病が、血液から脳へのタンパク質などの流入を防ぐバリア(血液脳関門)の破綻と、神経毒性のある物質(不溶化タウ)の蓄積を引き起こし、認知症の代表格であるアルツハイマー病に類似した現象によって認知機能が低下する可能性を報告した。本研究ではさらに、腎臓病における脳のバリア破綻と認知機能低下が起こるメカニズムの解明を目指す。これにより新しい治療のターゲットや治療法をみつけることを目指す。