Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
心不全は依然として予後不良の疾患であり、病態解明や治療法の開発が喫緊の課題である。心臓病と腎臓病が互いに連関しあう「心腎連関」の病態機序として交感神経系の寄与が強く示唆される。応募者らは、腎障害合併の心不全の病態に、腎臓から脳への求心性神経入力を介した慢性的な交感神経出力増加が寄与することを明らかにした。近年、心不全ならびに慢性腎臓病の治療薬としてSGLT2阻害薬の有効性が示されたが、その治療機序はいまだ不明である。本研究は、腎-脳-心の神経性ネットワークに着目した新しい視点でのSGLT2阻害薬の治療機序解明であり、交感神経系を介して多臓器を治療標的とする新規治療法の開発につながる。