Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
出血性ショックと外傷性凝固異常に対しての治療戦略の根幹は輸血であり、近年では成分製剤に加えて全血製剤を用いた輸血戦略が世界的に注目を浴びている。全血製剤中にも含まれる血小板は炎症を惹起する事で急性呼吸窮迫症候群や多臓器不全といった致死的病態を引き起こすと言われており、全血輸血も同様に過剰な炎症を引き起こす可能性がある。本研究では出血性ショックに併発する外傷性凝固異常の炎症病態に着目することで、全血輸血の利点と欠点を明らかにする。更に、我々が止血補助作用のみならず抗炎症作用を見出しているADP内包ナノ粒子を全血輸血に加えることで、炎症を制御しつつ凝固異常の改善に繋がるかを明らかにする。