Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
味覚は、食物摂取を行う上で唾液分泌、消化栄養、生体防御などの面で重要な役割を果たすことから、生体の成長発育および恒常性維持に必要不可欠な感覚である。しかし、不正咬合を有する患者では、硬度・弾力性・凝集性・付着力が高い食物の摂取を避けており、それに由来する生活の質(QoL)の低下が報告されている。これまでの研究で、不正咬合が味覚に与える影響については殆ど明らかにされていない。味覚という新たな観点から矯正歯科治療の意義を客観的に根拠づけることを最終的な狙いとし、行動・電気生理学、組織学、生化学の多角的観点から、「幼少期および成人期の不正咬合が、味覚に影響を与えるか」という疑問を解明する。