Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
ビタミンB1(VB1)は糖代謝に不可欠の栄養素であるが、生体内で合成できず体外からの摂取に依存している。体内蓄積量は約18日分であり、食欲低下が2週間以上続くと欠乏を生じてしまう。VB1欠乏症は早期発見できればVB1の投与により後遺症なく治癒するが、発見されず欠乏状態が持続すると重篤な後遺症を残し死に至ることもある。VB1欠乏はアルコール依存の患者に多いことが知られているが、申請者はがん患者に多く見出してきた。しかし現在のがん医療ではVB1欠乏が疑われて血液検査がなされることは少ない。今や国民病である「がん」の治療中に、VB1欠乏を見落とさないよう予防策を講じることが必要である。