Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
近年、触媒的に発生させたコバルトデューテリド種からの重水素原子移動を起点としたアルケンの重水素化反応が複数報告されている。しかし、アルケンの異性化反応が競合する点や反応条件が過酷な点から、その基質適用範囲は従来の水素原子移動による水素化反応に比べ未だ限定的であり、不活性内部アルケンへの適用は依然困難である。この課題に対して本研究では、新たに相互作用領域を導入した新規コバルト触媒・光触媒の設計を行い、非共有結合性相互作用を介した高度な反応空間の形成によって、穏和な条件における不活性内部アルケンの位置選択的な重水素化の実現を目指す。また本手法により、多様な重水素標識化合物ライブラリーの構築を行う。