Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
らせん構造を持つ分子中を流れる電流において、電子の持つスピンが整列するキラル誘起スピン選択効果(CISS効果)は、強磁性体を用いない新たなスピン流生成方法である。CISS効果のスピントロニクスへの応用に向けて、伝導性の高いらせんポリマーの開発が求められている。本研究では、らせん構造を有する多環芳香族分子であるヘリセンを、遷移金属イオンが4つの硫黄原子とともに錯形成したジチオレン錯体によって架橋させることで、らせんを描いた伝導路をボトムアップ的に構築し、伝導性の高い長大らせんπ共役ポリマーを新しいCISS材料として創成することを目的とする。