Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
顕生累代を通して,生物は時代ごとの環境に適応し進化・多様化を繰り返してきた.では,「生きた化石」と呼ばれるような長い間かたちを変えない生物は,変わりゆく環境にどのように適応してきたのだろうか.本研究では,オルドビス紀から現在までほぼかたちを変えず存続する腕足動物を題材に,化石種と現生種の形態解析に基づいて,どのような新規の形質が長い時間軸上における生態的な格差を生み出したかを明らかにする.具体的には,肉茎固着に強く関わる形質の微細構造の観察から形態的差異を識別し,時代間の定住様式と照らし合わせることで,殻体構造からみた形質と生態特性の関係の理解を目指す.