Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ドストエフスキーは心理描写に優れた作家とみなされ、現代でもこの作家を愛読する読者も多い。しかし、ドストエフスキー研究において、感情についてテーマとしたものは少なく、それは感情が理性に対して劣るものと見做されてきた歴史的背景によるものでもある。ドストエフスキー研究として感情をテーマにし、特に情動といわれるような近代的な個人主義を超越するような集団的な強い感情を分析の核と据えることで、現代社会が直面する問題を感情面から解決するような新たな視座を提供したい。