Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、作家・批評家モーリス・ブランショ(1907-2003)の文学言語論が有する政治的な可能性を解明することを目指すものである。まず1930年代から40年代にかけての初期ブランショの網羅的なテクスト分析を通して、作家・批評家としてのブランショの生成過程を思想史的に描き出す。そうして得られた視座をもとに、1940年代以降のテクストを同時代的文脈を考慮しつつ読み解くことで、彼の文学言語論の政治的な射程を明らかにする。最終的に本研究は、これまで十分に考えられてこなかった政治性という観点から、ブランショの思想的可能性を更新することを目指す。