Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、戦後日本において「国際文化交流」と呼ばれる対外文化政策が形成される過程を、戦前・戦後の連続性のなかで捉えるものである。戦前期の対外文化政策は、帝国の文脈で垂直的に実施する対アジア事業と、主権国家の文脈で水平的に行われる対欧米事業とで分節されていた。しかし戦後には、全世界に対して水平的・双方向的に実施するとされる「国際文化交流」へと一元化された。戦時期から戦後にかけて日本を取り巻く国際秩序が大きく転換するなかで、この「国際文化交流」の枠組みはいかにアジアに投影されていったのか。その検証を通し、近代日本の対外文化政策に表れた国際関係認識、特に対アジア認識の変容と連続性を明らかにする。