Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、磁性体の磁化歳差運動が波として伝播するスピン波の準粒子「マグノン」を対象とし、そのゆらぎが非等方に歪んだ状態であるスクイーズドマグノンの実現を通じた、新しいスピントロニクス現象・機能の開拓を目的とする。従来のスピントロニクスでは、磁化を期待値と分散のみで特徴づけられる古典的なベクトルとして単純化してきたが、この枠組みではあらゆるマグノンゆらぎが等方的なものへ落とし込まれてしまう。磁性体中の非線形効果を巧みに利用することで発現し得るスクイーズドマグノンは、このボトルネックを打ち破るものであり、これを観測・制御することで高次ゆらぎ現象に基づく新しいスピントロニクスの開拓が期待できる。