| Project/Area Number |
24KJ1023
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| Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 国内 |
| Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡部 裕也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2024-04-23 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2026: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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| Keywords | 流体力学 / 混相流 / 撃力 / 液体ジェット / 高粘度 / 射出 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、衝突のエネルギーを用い、液体を先端の細いジェットとして射出する技術に着目し、液体の駆動効率を向上することで、超高粘度液体の射出・塗布技術として確立することを目指します。 まず、容器衝突時における、容器形状と容器内の液体の関係を明らかにすることで、液体の駆動に適した容器形状を検討します。次に、生物の「液体射出」、「流路における高粘度液体の潤滑」、「液組成」等を流体力学の観点から理解し、打撃ジェット技術と組み合わせることで、超高粘度液体の射出・塗布技術の確立を目指します。さらに、打撃ジェットに特有な液体の高伸長現象を有効に活用するため、高分子流体の分子配向制御への応用を検討します。
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| Outline of Annual Research Achievements |
液体を入れた試験管を硬い床に落とすと,試験管の衝突に伴い細く集束した液体ジェットが生成する(打撃ジェット).本研究では,打撃ジェットを用いた超高粘度液体の射出・塗布技術の開発に取り組む. 本年度は主に容器形状によって打撃ジェットの速度が変化するメカニズムの解明に取り組んだ.衝突によって液体が得る速度は,圧力力積(衝突現象で生じる圧力の積算値)の勾配に比例する.本研究では,非圧縮NS方程式と連続の式から導かれる,圧力力積に関するラプラス方程式を数値的に解くことで各容器形状,液体高さ条件における圧力力積場を解析した.事前の実験により,試験管に比較して顕著な断面積変化を有するケルダールフラスコにおいて,試験管より速いジェットが生成することが確認されている.得られた数値解から算出した,各条件における気液界面底部の液体速度を比較し,実験で得られた傾向を良く捉えていることを確認した. 容器中心軸上の圧力力積分布に着目すると,試験管では圧力力積が気液海面からの距離に対してほぼ線形に分布するのに対し,ケルダールフラスコでは顕著な非線形性が見られた.また,この非線形性によって気液界面における圧力力積勾配が増大し,ジェット増速が生じたことが示唆された.ケルダールフラスコにおいて容器が窄まる部分で特に顕著な非線形性が確認されたため,容器の窄まり形状と容器中心軸上の圧力力積勾配との関係を調査した.容器が単調に窄まる簡易容器において数値計算を行い,容器の窄まりが強いほど容器中心軸上の圧力力積勾配の非線形性が強まり,気液界面底部の液体速度が増大することを確認した. 本成果は,強い窄まり形状を有する容器によって従来よりも速い液体ジェットが射出可能であることを示しており,超高粘度液体の射出容器の設計指針として重要である.また,衝突現象下の液体運動の理解という観点からも重要な知見である.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液体を入れた試験管を硬い床に落とすと,試験管の衝突に伴い細く集束した液体ジェットが生成する(打撃ジェット).本研究では,打撃ジェットを用いた超高粘度液体の射出・塗布技術の開発に取り組む. 2024年度は主に容器形状によって打撃ジェットの速度が変化するメカニズムの解明に取り組み,容器内の圧力力積場を数値的に解析した.その結果,窄まり形状容器では,容器中心軸上の圧力力積分布に非線形性が現れ,これによって気液界面底部の液体速度が増大することが示唆された.また,容器の窄まりが強いほど容器中心軸上の圧力力積勾配の非線形性が強まり,気液界面底部の液体速度は増大する.この,容器中心軸上の圧力力積勾配の変化は,容器断面積変化を考慮した容器中心軸上の運動方程式を解くことで近似的に求めることができ,ジェット速度の予測にも有効である.本成果は,査読付き国際学術誌に投稿中である.また,打撃ジェットの社会実装に向け,液体の安定補給による連続射出性能の向上を達成した.この成果は,日本画像学会誌で掲載され,2024年度論文賞を受賞している.加えて,生物を模倣した液体駆動に関して,蚕の絹の吐出過程に着目した.蚕の飼育や吐糸過程の観察を体験し,蚕の吐糸過程の特徴を抽出するための観察系の構築に取り組んだ. 以上より,本研究はおおむね順調に進展していると言える.
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| Strategy for Future Research Activity |
2024年度は主に容器形状によって打撃ジェットの速度が変化するメカニズムの解明に取り組み,容器の窄まり形状によりジェット増速が可能であることを明らかにした. 2025年度は,この設計指針をもとに,より速いジェットを射出可能な容器形状を検討する.加えて,複雑な形状において圧力力積に関するラプラス方程式を解き圧力力積場を求める際の,境界条件の設定手法に関して検討する.これは,衝突現象下の液体流動を考える上でも非常に重要な点である.具体的には,境界条件の与え方を変え,得られた圧力力積場から算出された気液界面における液体速度を,実験結果や数値シミュレーション結果と比較し,境界条件の妥当性を検証する.打撃ジェットにおける数値シミュレーションを実施するため,イギリス(Imperial College London)で半年間研究留学を実施する.数値シミュレーションでは混相流数値計算ソルバーBLUEを用いることで,高速かつ複雑な気液界面現象を捉え,ジェット生成時の速度場,圧力場を明らかにする.既に国際共同研究を開始し,数値シミュレーションにおいて試験管を用いた打撃ジェットを生成可能であることを確認している.これらの内容を国際会議,国際学術誌を通じて発表していく.
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