Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
物性物理学の分野において、新奇物性開拓や機能創出の観点から、物質の非相反性が注目されている。非相反性とは、例えばダイオードで一方向にのみ電流が流れる、キラル分子で一方の異性体のみが薬理効果を示すといったように、空間反転操作で移り合う二つの構造に系が異なる応答を示す性質である。本研究は、非相反性の起源の一種であるカイラリティ(鏡映対称性の破れ)が、固体物質での非線形光学応答に与える影響を明らかにすることで、固体におけるカイラリティの高速な検出手法を新たに確立することを目的とする。さらに、確立した手法を応用して、光励起による物質のカイラリティ制御の実現を目指す。