Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
種子散布共生は、植物が動物に食物として果実を提供し、動物の排泄によって果実に含まれた種子が散布される相利共生系である。地球上の約半数以上の樹種が、種子散布を動物に依存していることから、種子散布共生が植物に大きな利点をもたらしていることが示唆される。種子散布共生において、種子は、散布者の糞に包まれて散布される。糞の中には多種多様な細菌が高密度に存在する。環境中の細菌は、植物の生存や成長に様々な効果をもたらすことが知られており、これらの細菌と同属の細菌が糞の中にも存在する。本研究では、糞内細菌が種子の定着に与える影響を明らかにすることで、種子散布共生系において植物が受ける安定的な利益を解明する。