Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、細胞分化のメカニズムやそれを通じた組織の恒常性などの生命科学的な現象を数理的な視点から研究する。細胞分化とは、幹細胞が分裂によりその数を増やしながら、細胞間で相互作用することで自身の状態を大きく変化させ特殊化する過程である。組織は、細胞が分裂により増加し、分化によって状態を変化させながら最終的に剥離などにより組織から離れる、というような動的な変化を含みながらも、組織全体として恒常性が保たれている。このような現象を数理的に扱うために、これまでの力学系では扱われていなかった、時間変化とともに系の構成要素の数自体が変化する力学系という新たな枠組みを作る。