Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
詩の美しさという肯定的な側面に主眼が置かれた従来の古典サンスクリット詩学研究に対して、「何が詩を損なうのか」という否定的な側面から詩を分析する古典インドの詩論家たちの姿勢に着眼している本研究は、中世インドの詩的欠陥論の歴史的展開を解明すると共に、当方面の詩学研究の基盤を構築することを目的とする。また、パーニニ文法学や詩的意味論の視点を取り入れた詩的欠陥研究を遂行することも本研究の特色として挙げられる。詩的欠陥論と文法理論、意味論という三つの柱をもった本研究により、詩の美的要素に焦点を当てた研究では見えて来なかった古典インドの詩学理論が鮮明な姿をもって世に出ることが期待される。