Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、アリの労働分業の基盤である「反応閾値」の実態解明を目指す。真社会性昆虫であるアリでは、ワーカー(働きアリ)間での高度な分業により生態学的に大きな成功を収めている。分業はこれまで、ワーカー各個体のタスク実行の有無を決める内的な閾値の変動により生じると考えられてきた。しかし、反応閾値の生理的基盤については未解明のままであり、これらを明らかにする事が社会性昆虫の分業維持機構の理解に重要となる。そこで本研究では行動実験と遺伝子発現解析を組み合わせることで、反応閾値の生理的基盤を明らかにする。さらに、閾値変動の種間比較によりその一般性を調べる。