Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
船長その他船員の使用者である船舶所有者(以下、船主とする。)は、国際的に、海難事故から生ずる責任の制限が認められている。しかし、このような制限はいつでも認められるというわけではなく、例外的に、船主による責任制限が排除される場合がある。これを規定したのが、責任制限阻却事由である。責任制限阻却事由は国際条約によりその統一が図られてきたが、今なおその解釈が批准国間でも異なるという状況にある。加えて、今日における責任制限阻却事由の学問的な意義は問われないままとなっている。そこで、本研究では、責任制限阻却事由に関する包括的な検討により、その解釈の統一および今日的な意義を示すことを目指す。