Research Project
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research)
本研究はモンゴル帝国(1206~1368年)の解体、特にその起点となった西アジア、フレグ・ウルス(1256~1335年)の崩壊を「14世紀の危機」の文脈で捉えようとするものである。フレグ・ウルスの崩壊はこれまで政治的な側面のみから議論されてきた。しかし文理協働研究の進展によって、1310年代から50年代にかけての西アジアは、気候変動の時代であったことが明らかになっている。こうした前提を踏まえ本研究では、気候変動に加えて、1)東アジアからの海域を通じての疫病流行、2)南アジアとの金銀交易の混乱という2つの観点からもフレグ・ウルスの崩壊を検討し、西アジアにおける1330年代の危機の実相を解明する。