超高磁場MRIを用いた中枢性・局所性関節疼痛機序の解明と非侵襲性評価システム開発
Project/Area Number |
25293322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Partial Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西井 孝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70304061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 芳親 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00174897)
坂井 孝司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00444539)
田中 壽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (40294087)
上杉 裕子 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (40423230)
黒田 輝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)
佐藤 嘉伸 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70243219)
菅野 伸彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70273620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Adopted (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
Fiscal Year 2015: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2014: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2013: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | functional MRI / 痛み / 膝関節 / 股関節 / 高磁場MRI / MRI / 関節 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳fMRI(functional MRI: fMRI)などを用いて、膝・股関節疾患の痛みの局在性と重症度を視覚的・定量的に診断する統合的な評価システムの開発を目標とする。 fMRIでは関節痛刺激を周期的・効率的に再現性高く負荷することが必要であり、駆動装置の複動エアシリンダー(空気の供給と排気による複動型システム)と制御装置を組み込み一定の周期で下肢関節の内外旋回運動および圧迫を自動制御するシステムを考案した。股関節や膝関節に動作に伴う痛み刺激を一定の負荷力・周期性で安定して稼働すること、安全性に支障がないことを確認した。健常ボランティアにおいて、周期的な右手指、右足指、左手指、左足指の自動運動に対応する3T fMRIでの再現性の高い脳賦活領域を確認した。次に周期的痛み負荷を右膝・左膝におこなったが、fMRIでは賦活領域・程度において比較的大きな個体差が確認された。 臨床用7テスラMRIは高い磁場強度を有するため大幅な画質向上がみこまれる反面、静磁場の不均一や体動にともなうアーチファクトの影響、発熱や末梢神経刺激などの患者安全性について検証が不十分であった。ファントムを用いて、撮像方法(シークエンス)、高感度コイルの性能、静磁場を含めた装置の安定性を検討した。 新しい膝関節痛み評価法として、滑膜組織と滑液のMRI T2値の生理的な差分に着目した非造影T2マッピング法による低侵襲性滑膜・滑液評価法を考案した。膝疼痛を訴える27例において非造影MRI T2マッピングによる滑膜・滑液の体積計測値と疼痛強度スコアの高い相関性、および従来の造影MRIによる滑膜・滑液量との高い相関性が示され、非侵襲的な関節疼痛定量評価法になりうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は、MRI撮影対応の周期的関節痛刺激デバイスの考案、3テスラおよび臨床未使用の7テスラ超高磁場MRIを用いた脳fMRI(fMRI)による関節痛の多様な局所性・中枢性病態の解明、低侵襲的な定量的診断をおこなえるシステムの構築およびその臨床的有用性を明らかにすることである。 1)MRI撮影対応の周期的関節痛刺激デバイスの作成・安定性の検証は完了しており、2)3TMRIでのfMRIによる関節痛の多様な局所性・中枢性病態の検討は順調に進行しており、3)局所の膝関節の非造影T2マッピング法による低侵襲性滑膜・滑液評価法の考案・検証は順調に推移している。4)7テスラ超高磁場MRIでのfMRIの検討は、十分な静磁場の不均一や体動にともなうアーチファクトの影響の検証が必要であり、ひきつづき検討を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
1)新しい膝関節痛み評価法としての非造影T2マッピング法による低侵襲性滑膜・滑液評価法の確立:人工関節手術を予定している変形性膝関節症患者を募集し、術前に痛みVASスコアなどの各種臨床機能評価をおこなう。関節軟骨組成評価のためのT2・T1 rhoマッピング画像なども取得する。手術中に滑液量計測と滑膜・関節包を採取し、組織学的評価・滑液量と滑膜・滑液画像評価との関連性について検討する。 2)7テスラMRIを用いたfMRIの撮影法の確立:7テスラMRIの環境整備と安全性が確立された後に、ボランティアにて関節痛刺激デバイスを用いたfMRI撮影をおこない撮像シークエンス条件の最適化をおこなう。痛み刺激程度・部位と脳賦活化領域の局在性、賦活変化量との関連性およびその再現性を検証し、3テスラMRIのfMRI集積データと比較しての7テスラ超高磁場撮影の有用性について検討をおこなう。 3)7テスラMRIを用いた臨床研究:研究開始に先立ち、大学倫理審査委員会での研究内容等につき研究承認を得て被験者に説明し同意を得る。人工関節手術を予定している変形性股関節症患者、変形性膝関節症患者を募集し、術前に各種臨床機能評価をおこなう。7テスラMRI撮影により中枢性感覚機能評価のためのfMRI, 関節形態評価に適するFIESTA-C画像、関節軟骨組成評価のためのT2・T1 rhoマッピング画像などを取得する。手術中に関節液および滑膜・関節包を採取し、組織学的評価により軟骨変性・炎症性メディエーターに関する発現性および局在性について解析をおこなう。MRIにおける痛みに対する脳内賦活化の局在性と活動量、軟骨の形態・変性の各定量的パラメータと、臨床機能評価におけるQOL/痛み/心理活動スコア、組織学的評価における各炎症性メディエーターの発現量との相関性について検討をおこなう。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
fMRIにおいて、関節痛刺激デバイスの調整・修正をひきつづき施行する。 7テスラMRIの臨床使用にむけた安全性と安定性などの環境整備をおこなったのち、ボランチアのfMRI撮影をおこなう。
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Report
(2 results)
Research Products
(29 results)
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[Book] 股関節学2014
Author(s)
西井 孝ほか
Total Pages
1251
Publisher
金芳堂
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