Project/Area Number |
25420305
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
|
Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
綱島 滋 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 上席研究員 (80023323)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 電子材料 / スピンエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,Co超薄膜に強い電界を印加した際の磁気特性の変化を調べる基礎的実験を行った.また,電界アシストスピン注入磁化反転の基本素子となる高配向ZnO膜を用いたCPP-GMR(Current perpendicular to the plane - giant magneto-resistance)素子を作成し,極薄のZnO膜を介した巨大磁気抵抗効果の観測を行った. Co超薄膜の作成では昨年度問題となったスカム除去プロセスを開発した.また,Co超薄膜の磁気特性を改善するため,Pt下地層厚依存性,MgO層とCo超薄膜層界面への極薄Pt層の挿入を検討した.これらの検討で良好な磁気特性が得られた膜構成:熱酸化膜付きSi基板 / Ta (3 nm) / Pt (2.0 nm) / Co (0.4 nm) / Pt (0.1 nm) / MgO (2 nm)をスパッタリング法により成膜し,これを細線と細線に直交方向に異常ホール効果検出電極を有する十字形状に加工した.この十字形状の上にAl2O3を100 nm,Pt電極を成膜し,電界印加中の磁気特性を観測できるような素子を作成した.電界非印加時のCo超薄膜は保磁力90 Oeを示したのに対し,1.5 MV/cmの電界を絶縁層に印加することで,保磁力が75 Oeに減少(約16%減少)することが分かった. 極薄ZnO層を用いたCPP-GMR素子では上下磁性層にCo/Pd多層膜を用いたTa (10 nm) / AlCu (20 nm) / Ta (5 nm) / [Pd (1.2 nm) / Co(0.6 nm)]6 / Zn (0.7 nm) / ZnO (1.6 nm) / Zn (0.7 nm) / [Co (0.35 nm) / Pd (1.6 nm)]6 / Ta (5 nm)を成膜し,フォトリソグラフィー,Arイオンエッチングにより20 μm 角のCPP-GMR素子に加工した.ZnO層厚やその上下のZn層厚などの膜構造の最適化は不十分であるが,上下磁性層の磁化方向変化に対応し,0.02 %程度の磁気抵抗変化が得られた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度予定していたCo超薄膜の磁気特性への電界効果の測定を行う試料の作成および電界印加による磁気特性制御の原理実証を行うことができた.しかしながら,1.5 MV/cmの電界印加による垂直磁化Co超薄膜の保磁力の変調は15%程度に留まっている.デバイス応用に向けては数MV/cmの電界印加で100%近い保磁力変化を得られる試料を開発する必要があると考えられる.電界印加による磁気特性の変化が小さかった理由として,現時点ではMgOとCo超薄膜界面の極薄Pt層の影響,試料のCurie温度が室温に比べて非常に高いことを考えている.今後は極薄Pt層の最適化やCurie温度をより室温に近づけた試料の作成を行い,大きな電界印加効果を観測していく予定である.また,電界勾配による磁壁移動を観測するために,Co超薄膜に電界勾配を印加できるような素子構造に変更し,光学的な手法による磁壁移動の観測を試みる予定である. 電界印加スピン注入素子の作成においては,メモリー層をCo/Pd多層膜としたCPP-GMR素子を作成し,上下磁性層の磁化方向変化に対応し,0.02 %程度の磁気抵抗変化が得られた.現時点で得られている磁気抵抗変化は小さく,膜構成の改善による磁気抵抗変化の増大が必要と考えられるが,現在の抵抗変化でも磁性層の磁化方向を判別する基礎的な検討は十分可能である.今後は電界アシスト効果を観測できるようメモリー層をCo超薄膜とした素子構造にするなどの検討を進めて行く.
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)Co超薄膜の磁気特性への電界効果の測定と電界勾配による磁壁移動 Co超薄膜に数MV/cm程度の電界を印加した状態での磁気特性の変化を異常Hall効果または磁気光学Kerr効果により検出し,磁化,磁気異方性,保磁力,キュリー温度への電界印加効果を調べる.特にCo超薄膜のCurie温度や膜構造を最適化し,デバイス応用が可能となる大きな電界印加効果の観測を試みる.また,Co超薄膜上に電界勾配を印加できる素子構造を試作し,電界勾配に従って生じると予想される磁壁移動現象の検出を行う. (2)電界印加スピン注入素子の作成とスピン注入磁化反転 Co超薄膜をメモリー層とするスピン注入素子を作成し,スピン注入磁化反転を確認する.絶縁膜を薄くすることでCo超薄膜に数MV/cm程度の電界を印加した時のスピン注入磁化反転を調べる.スピン注入磁化反転の反転電流密度の絶縁層厚依存性を調べ,電界アシストスピン注入磁化反転の基礎的知見を得る.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究遂行に必要な消耗品費にあてる.
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)