ヒトがん細胞がテロメアを短く保つ意義とその機構の解明
Project/Area Number |
25640071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Tumor biology
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
平島 匡太郎 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子生物治療研究部, 研究員 (10446271)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | テロメア / ヒトがん細胞 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトがん細胞がテロメアを短く保つ理由および機構の解明を通じて、全く新しいアプローチのがん治療法の端緒を切り開くことである。ヒトがん細胞のテロメアは正常細胞と比べて短いことが、古くから多くの悪性腫瘍で認められているにもかかわらず、その理由は不明であった。 こうした背景を踏まえ申請者は長いテロメアがヒトがん細胞に及ぼす悪影響を検討するために、計画申請時すでにテロメアを過度に伸長した PC-3 前立腺がん細胞株を作製していた。そしてテロメア伸長株が対照株に比べ、in vivo において腺管形成、すなわち細胞分化することを見いだしていた。 計画初年度、申請者はまず細胞分化という表現型に伴い、どのような遺伝子群が発現変化しているかをマイクロアレイによって解析した。その結果テロメア伸長がゲノム全体に渡って多くの遺伝子発現を変動させることを見いだした。次いで変動した遺伝子群をオントロジー解析し、自然免疫システム関連カテゴリが有意に抑制されることを明らかとした。申請者は PC-3 以外にも、HBC4 ヒト乳がん細胞株のテロメアを伸長した株を作製した。そして HBC4 テロメア伸長株も in vivo において腺管形成が誘導され、かつ同様の遺伝子群が抑制されることを確かめた。 高分化な細胞形態のがんは、一般に予後が良いことが臨床的に知られている。またoncomine データーベースに基づきメタ解析すると、テロメア伸長により抑制される遺伝子群は、ほぼ全てが悪性腫瘍で高発現していることが分かった。これら結果から長いテロメアは in vivo で悪性腫瘍で重要な遺伝子を抑制し、細胞分化の誘導すなわちがん細胞の悪性度を減弱させることが示唆された。本研究は一編の学術論文としてまとめ、2013年に Molecular and Cellular Biology 誌に投稿・受理されている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)