Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2015: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2013: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
致死的でない高温ストレスを前もって与えることで個体が高温により強くなる、「耐暑性」の獲得が針葉樹を含む樹木でも報告されている。本研究では、耐暑性誘導処理や由来する地域がエピジェネティックな制御を介して高温ストレス反応に関わる遺伝子発現に影響を及ぼすかを、スギで明らかにすることを目指した。気象データの主成分分析で4クラスタに分けられる7集団から、発芽率のよい22母樹を選んで15ブロックにランダムに種子を播種した。暗期8時間(16℃)、明期16時間(25℃)で発芽を行い、ほぼ全ての実生で本葉が展開した時点で半分の実生について暗条件下で38℃・3時間の耐暑性誘導処理を2日間行った。耐暑性誘導処理終了から24時間後に実生のサンプリンクを行い、さらに24時間経過後全ての個体に45℃・2時間の高温ストレスを与えた。高温ストレス後に針葉の葉色が変化した実生の割合は耐暑性誘導処理なしのサンプルで大きかったが、有意な差ではなかった。高温ストレス終了後25℃に戻し、1時間後及び24時間後にサンプリングを行った。計3回のサンプリングでは、耐暑性誘導処理あり・なし及び4つの気象条件の異なるクラスタを考慮した8グループから各2個体、計16個体からRNAを抽出した。このうち、各時点において8個体、計24個体について次世代シーケンサーでRNA-Seq解析を行った。総計423,735,176リード、約41Gbpのデータが得られた。24個体をプールしたデータと既存のスギ遺伝子情報により参照配列を構築した。まず他植物で高温ストレス応答制御の鍵となる転写因子ファミリーのスギホモログついて発現レベルを比較したところ、気象によるクラスタや耐暑性誘導処理による明瞭な差はなかった。しかし高温ストレス処理後に最も高い発現を示したことから、スギでも他の植物と同様の高温ストレス応答経路が機能していると考えられた。
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