Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2014: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2013: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
Yi-Chun Chen及びYifei Sunとの共著論文(Implementation with Transfers)では,プレイヤー間での金銭移転が可能な環境におけるメカニズム・デザイン問題を考察した.売手と買手との契約関係や様々なオークションなどでは金銭移転は必須であることを考えると,非常に多くの経済問題が,この論文の射程範囲に入る.メカニズム・デザインの目的は,どのような資源配分ルールがメカニズムによって遂行可能かを明らかにすることである.例えば,効率的な資源配分を達成したいのであれば,各プレイヤーの選好に関する私的情報を彼ら自身から報告してもらわなければならない.もちろん,自身の利益に適うなら,各プレイヤーは虚偽の報告も積極的に行うであろう.このとき重要となる条件は誘因両立性である.もし他のすべてのプレイヤーが正直に私的情報を報告しているならば,各プレイヤーも正直に私的情報を提供することが最適戦略となるとき,その資源配分ルールは誘因両立性を持つという.この誘因両立性は遂行可能性のための必要条件であることは明らかである.さらに,それが十分条件であることも本研究は示した.すなわち,もしプレイヤー間での事後的な金銭的移転をほんの少しだけ許すと,誘因両立性を満たす「どのような」資源配分ルールも遂行可能である.この研究で提案されたメカニズムは,情報構造にほんのわずかの摂動を加えても,メカニズムの性能は維持されるという情報頑健性をもつ.特に,完備情報に焦点を当てると,弱支配されないナッシュ均衡(Undominated Nash Equilibrium)に基づいた遂行可能性の特徴づけも本研究の結果のコロラリーとして得られる.さらに,ほんの少しの金銭的移転は依然として必要ではあるが,均衡経路上では,金銭的移転は全く必要としない.この論文は近日中に,Journal of Economic Theoryに投稿予定である.
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