Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究はワーラー変性に対し著しい保護効果を示す変異マウスWldsの原因タンパク質が作用しているタンパク質を、ショウジョウバエを用いたゲノムワイドな遺伝学的スクリーニングによって同定し、軸索変性のシグナル経路を解明するものである。マウス由来のWldsタンパク質を発現させたショウジョウバエの嗅覚受容神経は、触覚除去により誘導される軸索変性に対しても著しい抵抗性を示す。この抵抗性を解除する遺伝子を、染色体部分欠損ライブラリー(468系統、カバーレージ98.3%)を用いてスクリーニングし、14系統をポジティブな系統として得ていた。それぞれの系統における原因遺伝子の特定を試みているが、本研究期間中においては、そのうちの1系統からNAE1を候補遺伝子として特定した。Wldsマウス由来のDRGの初代培養は、軸索切断により誘導されるワーラー変性に対しても遅延効果が認められるが、NAE1をRNAiにより遺伝子抑制するとこの遅延効果が緩和されたことから、Wldsタンパク質が作用するタンパク質の一つとして、NAE1が同定できたものと考えられた。Wldsマウスは種々の神経変性疾患マウスモデルにおいて神経保護を示すことが報告されている。NAE1の機能はNeddylation、APPへの結合が報告されているが、これらの機能の破綻が神経変性疾患の進行に関与しているかを確認することが今後の課題であると考えられる。
All 2013
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
J Alzheimers Dis.
Volume: 37 Issue: 3 Pages: 579-586
10.3233/jad-130671