アミロイド形成における前駆体構造および蛋白質分子間相互作用の溶液NMR解析
Project/Area Number |
25840049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 優一 大阪大学, たんぱく質研究所, 招へい研究員 (70632248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2014: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 生物物理学 |
Research Abstract |
アミロイド線維は、蛋白質が規則正しい繰り返しパターンで配列した重合体であり、アルツハイマー病やパーキンソン病などの疾病に関与することが知られている。申請者は以前の研究で、アミロイド線維は蛋白質が溶解度を超えて過飽和に存在する溶液中で形成し、エネルギー障壁の高い核形成とそれに続く伸長反応の2段階で起きることから、アミロイド形成は蛋白質の結晶化と類似していることを示唆した。その一方で、結晶を構成する蛋白質は溶液中の天然構造と同様の構造をとるのに対して、アミロイド線維は天然構造とは異なるコンホメーションをとる。溶液中の天然構造から不溶性のアミロイド構造へと蛋白質の立体構造が転移する機構を原子レベルで理解することにより、物理化学的側面から疾病の予防法や治療法を確立することができると期待されるが、現在のところ、その詳細は未解明である。本計画では、天然構造の壊れたアミロイド前駆体蛋白質が不溶性のアミロイド構造へと立体構造が変化する過程における前駆体の構造および核形成段階での蛋白質分子間相互作用を溶液NMR解析により明らかにすることを目指した。 本研究では、透析アミロイド病の原因蛋白質であるβ2ミクログロブリン (β2m) を用いて研究をおこなった。β2mのアミロイド前駆体構造を明らかにするために、pHや尿素 (蛋白質変性剤) によるβ2mのコンホメーション変化を調べた。円二色性スペクトルの結果から、β2mは天然構造 (N)、変性構造 (U)、酸変性構造 (A) をとり、A状態がアミロイド前駆体構造であると考えられた。 今後は、酸変性状態でとり得るコンホメーションを、溶液NMR解析により明らかにすることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)