Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
慢性腎臓病(CKD)患者では心血管イベントの発症リスクが高く、心腎連関の病態解明は重要な課題である。CKD患者では血管石灰化が顕著であり、また血管石灰化は心血管イベントの予後予測因子である。しかし、血管石灰化におけるFGF23の病態生理学的な意義は不明である。そこで、本研究は、FGF23の血管における作用について解析することによって、心腎連関におけるFGF23の役割を検討した。これまでの検討で、培養血管平滑筋細胞において、FGF23は、骨分化マーカーであるRunx2、BMP2、Msx2、ALP発現を抑制し、血管石灰化に抑制的に作用するオステオプロテジェリン(OPG)を誘導することを示した(in vitro)。しかし、これらの現象はラット血管平滑筋細胞では認めなかった。そこでin vivoのデータとして臨床データを用いて、石灰化関連因子と血液中FGF23濃度の相関を検討した。その結果、ヒト血液中FGF23濃度は、血液中OPG濃度と最も強く相関することが明らかとなった。FGF23によるOPG発現機序の検討を行った。OPGプロモーター領域を単離し、ルシフェラーゼレポーターベクターに導入し、レポーターコンストラクトを作成。それらを血管平滑筋細胞に導入し、FGF23刺激による転写活性の変化を検討したところ、ルシフェラーゼ活性は2倍に活性化された。またFGF23と同時にKlothoを加えると、協調的にOPGmRNA発現量が増加することが明らかとなった。また、Klothoに対するSiRNAを用いるとOPGのmRNA発現量は低下した。これまでの検討結果をまとめると、FGF23はKlothoと協調的にOPGを誘導し、OPGが石灰化促進に関わるRANKL/RNA結合を阻害することで、FGF23が血管石灰化に抑制的に働くのではないかと考えられた。この結果をまとめて、現在英文誌に投稿中である。
All 2014 2013
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J Cardiovasc Comput Tomogr
Volume: 8 Issue: 2 Pages: 158-65
10.1016/j.jcct.2013.12.016
Volume: 8(4) Issue: 4 Pages: 328-30
10.1016/j.jcct.2014.06.005